新年の年賀

◇新年の年賀◇

(中1生徒作品)

◇院長の年頭の挨拶◇

新年おめでとうございます!

院長 田中弘志

皆さま明けましておめでとうございます。お元気で新年をお迎えのことと存じます。毎年思うことですが、今年こそは明るいニュースの多い年に、そして真の世界平和に一歩でも近づくことの出来る年になって欲しいと強く願っています。
さて女子学院は今年創立133年目を迎えます。学校には時折、思いがけないお客さまがあったり、お電話やお手紙を頂いたりして、その長い歴史の断面を垣間見させられることがあります。昨年9月に、千葉県にお住まいの女性から「大正3年に女子学院を卒業した母が大切に保存していた物を寄贈したい」というお申し出がありました。後日お持ち下さった物は、絹布に書かれた矢嶋楫子の書で、「目を醒し、かつ祈れ-大正参年三月廿六日八十一歳楫子」とありました。これはもちろん聖書の言葉の一節で、現在使用している新共同訳聖書によれば「誘惑に陥らぬよう、目を覚まして祈っていなさい。心は燃えても、肉体は弱い。」(マタイによる福音書26章41節/マルコによる福音書14章38節)という聖句の一部です。 イエス・キリストが十字架の死を目前に控えて、ゲッセマネという所で祈られたときに、弟子たちに語られた言葉として伝えられています。

資料室の話によりますと、この3月26日は卒業式が行われた日で、その時全科(現在の大学レベル)を卒業したのは12名で、当時の矢嶋楫子院長はおそらく一人一人にこの言葉を書いて、卒業のお祝いとして贈ったのではないだろうかということでした。大正3年3月には、矢嶋楫子は院長を辞任し名誉院長となっているので、彼女にとっては最後の卒業式という特別な思い入れもあったのでしょう。この貴重な矢嶋楫子直筆の書は、何しろ今から90年も前の物ですので、大切に修復し、劣化防止を施した上で額装して保存させて頂くことにしました。
また昨年10月には昭和16年女子学院卒業の同窓生5名が学校を訪ねて下さいました。その日都内で「どんぐり会」(昭和16年卒)の同窓会が開かれた後、現在の学校の様子が知りたいということで、5名の方々が皆さんを代表して訪ねて来られたのでした。女子学院の同窓会は卒業学年毎に「みつばさ会」「ひなぎく会」「マグノリア会」等のニックネームがついていて、その名前を聞けばあゝ、あの学年だとすぐに分かり合えるらしいのです。その命名にはもちろん、それぞれの由来があるのですが、「どんぐり」については、当時の担任教師たちに「あなたたちは本当にどんぐりの背比べね」といつも言われていたから、ということでした。それはともかく、訪ねて来られたどんぐり会の皆さまは、初めて足を踏み入れる現在の校舎に感慨を新たにされた様子で、ちょうど文化祭の直前で忙しく動き回っていた生徒たちの姿に、昔の自分たちの姿を重ね合わせたりしながら、とても懐かしみ、また喜んで下さいました。
大正時代の卒業生が矢嶋楫子の書を生涯大切にしておられたということは、それだけ女子学院で過ごした時間が大切な時だったということでしょうし、また戦前の同窓生が、学年毎の自分たちの会の名前に誇りと愛着を覚えながら、今でも親しい交わりを続けておられるというのも、同じ理由によるものと言えるでしょう。後に続いている現在の生徒たちにとっても、在学中に多くの友人が与えられ、生涯大切に思える中高時代であったと後で振り返ることができるような学校であって欲しいと願っております。

◇中1数学の授業紹介◇

<生徒の日誌から>

<「どうしてそうなるの?」「なぜ正しいとわかるの?」-数学科の授業について>

数学の授業で大切にしていることは、正しい答えを出すことだけではなく、答えに到るまでの過程です。答えは1つでも、過程は一通りではありません。自分の考えた過程を人にきちんと説明できるようにするとともに、人の考えた過程についても納得できるか皆でじっくり考えます。生徒が問題を自分で作って互いに解きあったり、証明の仕方を何通りも考えたりして、鍛錬していきます。説明のために、先生や生徒が工夫して自作の道具を作ることもあります。
カリキュラムは、6年間で学びやすいように独自の編成をしています。そのため、教科書の順序で授業が進むのではなく、教科書で見ると飛んだり戻ったりします。大まかに言うと、中2で中学の内容が終わり、中3から高校の内容に入ります。高2では、授業の進め方の異なるクラスを置き、自分にあったクラスを選択できるようにしています。高3では入学試験問題演習に重点をおいていますが、ここでも答えに到るまでの過程が大切に扱われています。
昼休みや放課後には、苦手な生徒の補習や、自発的に学習を深めたい生徒の要望で、個人指導がよく行われています。(数学科教諭)

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