標語聖句2023年度

女子学院の標語聖句は、その聖句の意味を生徒が1年の課題として考えるように、年度初めに院長が選んでいるものです。

2023年度の標語
「動かされないようにしっかり立ち、主の業に常に励みなさい。」
(コリントの信徒への手紙一15章58節)

この数年間、世界で起こっていることを見ると、将来を見通すことが難しくなるようなことばかりです。新型コロナウイルス感染症のまん延によって、各地では行動制限が行われ、社会生活に大きな影響を与えたばかりか、人々の心にも影を落とすこととなりました。また、ロシアのウクライナ侵攻によって始まった戦争は、これまで多くの犠牲者を出しながらも、いまだ終結を見るに至りません。他にも地球温暖化による影響のためか、多くの自然災害が発生するなどして、困難な生活を送る人々が増えていることも大きな問題となってきています。

神様のつくられた世界が、必ずしも私たちの思い描くような世界にはなっていないこと、理想の世界には程遠いことに日々もどかしさを覚え、それが未来への希望をどことなくあやふやなものにしてしまっています。先の見えない未来に向かって、私たちが準備しておくことができるものは何か、今できることは何かを考えていくことが必要でしょう。

しかし、たとえ未来を見通すことができなくても、私たちは恐れる必要はありません。どのような時にも神様は共にいて、私たちを導いてくださるからです。キリスト教を礎とし、教育の基盤としている女子学院の使命は、社会がどのように変化しようとも、神様から与えられた恵みの賜物を活かして、世のため他者のために仕える人を送り出すことです。ですから、学院に学ぶ皆さんは、一時的な現象や表面的なもの、移ろいゆくものに目を奪われることなく、時代や社会を超えても変わらない大切なものを見極めていかなければなりません。そのような時、聖書の御言葉は、この大切なものを見出すのに、皆さんにとって大きな助けとなるはずです。見えるものではなく、見えないものに目を注ぎ、朽ちるものではなく、朽ちないものを受け継ぐこと、そして地上ではなく天に宝を積むことを、聖書は私たちに教えてくれています。

不安や怖れにとらわれて、自らを見失うことがあってはいけません。また、見通すことが難しい将来に希望が持てないと嘆くことはありません。天を仰ぐと同時に自分の足元にも目をとめてください。しっかりとした土台を据えることによって、未来への可能性は大きく広がっていきます。私たちには、時に応じて成すべきことが与えられます。学院生活の6年間には、この土台を据えるため、そして与えられた賜物を活かすために、大いに学ぶことも大切です。神様から与えられた課題に、私たちが日々取り組むことによって、それまで見えていなかった未来が開け、歩むべき道へと導かれていくことでしょう。神様はその道を用意し、私たちに示して下さるのです。だから、安心して主の業に励みなさい。この聖句に続く御言葉は、主の導きが確かにあることを約束し、未来に向かって生きる私たちに大きな勇気を与えてくれるのです。

「主に結ばれているならば自分たちの苦労が決して無駄にならないことを、あなたがたは知っているはずです。」(Ⅰコリント15:58)

院長 鵜﨑 創

これまでの標語より